「神戸女学院めぐみ教育基金」招聘教員による特別講演会


 

講師 神戸女学院大学音楽学部舞踊専攻客員教授  佐藤 想美氏

クラシックバレエ特別授業参観「意識を変える」

2021年度に、めぐみ教育基金により招聘して頂きました佐藤想美と申します。
1月21日に開催を予定していました講演会が、オミクロン株の感染拡大の為、お客様の安全を第一に考え、残念ながら中止となりました。今回の講演会でお話しさせて頂く予定でした “意識を変える” というテーマについて触れさせて頂きます。
 神戸女学院大学にお招き頂き、限られた時間の中で、学生達に何を伝えたいか… と考えた時に、一番最初に頭に浮かんだのが、私が高校二年生で出場したローザンヌ国際バレエコンクールでの体験から学んだことでした。
スイスのボーリュ劇場が会場となっていて、生まれて初めてのコンクール出場、そして、この劇場は、「八百屋」と呼ばれる、舞台奥が高く、舞台手前が低くなっている傾斜のあるステージで、日本にはこのような「八百屋」の劇場はなく、これも初めての経験で、世界各国から集まった同世代の出場者達に囲まれた中で、私の緊張感はピークに達していました。
そして始まった、クラシックバレエ部門の予選で、私は『眠れる森の美女』第三幕のオーロラ姫のヴァリエーションを踊る為、舞台袖から歩いてステージ上を進み、センターで立ち、ポーズをとります。すると、ポーズをしている後ろの足が、ブルブル ブルブルと震え出しました。そこから、私の記憶は消え、気が付いたら踊り終わった最後のポーズをしていました。私は、何をやっていたんだろう?と呆然としました。
もちろん、そのような状態では予選落ちです。ですが、この経験から、高校二年生の私は、”舞台に立つ” とは? “舞台の上で踊る” とは?、どのような意味を持つのだろうと、真剣に考え始めました。そして、この時から ”舞台に立つ” 人間としての生き方、取り組み方が、はっきりと変わったのを今でも鮮明に覚えています。まさに “意識が変わった” のです。この経験がなければ…  この意識の変化がなければ…  その後の私の人生は、まったく違ったものになっていたと思います。
この目的意識を持つという事が、大学を卒業した後の学生達の人生の中で、役に立ってくれたら…  という想いで、日々彼女達と向き合っています。

最後になりましたが、講演会の場をお借りして、めぐみ会の皆様に、感謝の気持ちをお伝えしたいと想っていましたが、それが叶わなかったのでとても残念でした。
神戸女学院で今、体験させて頂いている事は、大切な宝物となって私の中に残って行くと思います。このような機会を与えて頂いたこと、本当に感謝しています。
ありがとうございます。