2016アートセミナー報告(岡田先生)

大阪大学文学研究科教授、神戸女学院大学文学部非常勤講師の岡田裕成先生をお招きし、2週にわたり『イメージの探偵術入門』と題してご講演いただきました。
  1回は、オランダの新しい時代を代表する画家、レンブラントの《バテシバ》が題材です。近代ブルジョア社会における市場経済の中、レンブラントが科学的ともいえる様々な仕掛けを用いて、手練手管で巧みに人々を作品に引き込んでいく様を解説していただきました。

2回では、イタリア、ヴェネツィアでのルネッサンスを確立したジョルジョーネの《嵐(テンペスタ)》を取り上げました。風景にいくつかのモチーフを散りばめ、その主題を曖昧にすることによって人々に謎を与え、意味の広がりと深みを出すというジョルジョーネの演出にはとても新鮮さを覚えました。

二人の画家の謎めいた作品の謎解きを通して、当時の人々さながらに絵画を鑑賞する新たな楽しさを味わうことができました。