2016めぐみ講演会(一般公開)

「はじめてのお能 日本の美意識」

    シテ方観世流能楽師
             越賀 隆之 

  神戸市出身で、京阪神を中心に活躍されている、重要無形文化財保持者、シテ方観世流能楽師の越賀隆之氏にお能の基本を教えて頂きました。先生の教え子の方々を含め約90名の方が参加されました。
 ビデオを見ながら、能舞台の構成に始まり、演目が「神」「男」「女」「狂」「鬼」の五つに分かれていること、そのそれぞれに使われる能面、装束、扇がちがっていることなど、わかりやすく解説してくださいました。大きくわけて「色あり」「色なし」という違いのあることも学びました。お能が現代でいえばミュージカルであるとのこと。目からうろこの思いでした。余計なものをすべてそぎとったお能は、観る者の経験と教養によってふくらみ、演者と見者が一体となって作りあげるものだとわかりました。ある程度の予備知識をもって鑑賞すれば理解はいっそう深まることでしょう。
 最後に皆で「高砂」を謡い、講演後には先生が持参された能面を囲んで歓談し、難しいと思っていたお能の世界がぐっと身近に感じられたひと時でした。
 講演風景