2021アートセミナー報告錦田先生
2021アートセミナー報告
古典俱楽部 ~テーマに沿って高校の教科書を読み直す~
前期「生きているものたち~動物~」
今年度は、緊急事態宣言のため、残念ながら前期第1回は中止となりました。
第2回 6月25日 犬 『徒然草』・『枕草子』
今では私たちの身近な存在である猫と犬。古典の世界では、猫は、上流階級が珍重する愛玩動物として描かれているのに対して、犬は、より古くから番犬として人々の身近な存在だったそうです。犬派にも猫派にも興味深いセミナーでした。
第3回 7月16日 猫 『更級日記』・『源氏物語』
亡くなった人の生まれ変わりや、帝の寵愛の対象、あるいは不義の恋愛の小道具として猫が登場する場面を読みました。『枕草子』からは、清少納言が苦手なもののひとつとして「猫の耳の中」を挙げている段も紹介いただきました。
後期 三つの物語
第4回 10月1日 「伊勢物語」
日本最古の歌物語で、在原業平がモデルではないかと言われる「男」の一代記。千年以上前の作品にもかかわらず、人々の感情に共感できました。また、鬼が登場する不可思議な物語は、政権争いに関連する事件が下敷にあると教わり、興味深く感じました。
第5回 11月5日 「大和物語」
10世紀中ごろから末にまとめられた歌物語から、今回は、三つの物語を読みました。「姨捨」では、山に捨てに行った老女を、どうしても心が晴れないため、また迎えに行きます。その他、身分違いの男女の物語も読み、人としての情や哀感を感じました。
第6回 12月3日 「平家物語」
今回は、「祇園精舎の鐘の声」で始まる有名な冒頭部分を、まずは出席者全員で音読。和漢混交文の、力強く美しい響きを楽しみました。「木曽の最期」と「忠度の都落ち」に描かれた武士たちの最期の様子に、鎌倉時代の価値観に思いを馳せました。