めぐみ講演会

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「神戸女学院めぐみ教育基金」招聘教員による特別講演会報告    2019年12月5日
''Seamus Heaney: Building a Life in Poetry''
    講師 神戸女学院大学文学部英文学科客員教授 Iain Twiddy氏

ノーベル賞受賞詩人、シェーマス ヒーニーの詩人としての生涯をとおし、Twiddy先生に「詩の中で人生を築く」をテーマにご講演いただきました。ヒーニーの詩の世界には、書かれた場所やそこで起こったことが、深くかかわっております。幼少期からの彼の人生をたどりながら、彼の人生を形作ったもの、たとえば家族や他者とのかかわり、幼少期と教育、結婚と悲嘆、平和と戦争、田舎と都会、そして環境などへの関心が、どのように彼の詩の中の人生を構築しているかを、アイルランドの置かれた時代背景も含めて解説していただきました。

講演会後の茶話会には13名の方が残られ、Twiddy先生と談笑する機会を持ちました。講演会の内容はレベルが高く、 、先生の流れるような英語に、みんな学生時代よろしく必死に耳を傾けましたが、茶話会では終始和やかな雰囲気で、先生も参加者ひとりひとりの質問に丁寧に答えてくださり、和気あいあいとした中で終了いたしました。

ヒーニーは1939年、北アイルランドのデリーに9人兄弟の長男として生まれ、故郷の牧場、沼地、川、湖などの景観は、ヒーニーの初期の多くの作品に登場します。「中世以来本質的に変化のない農業生活」でのキッチン作業を描写した“Sunlight”、4歳で交通事故死した弟へのエレジーである”Mid-term Break”(中間休み)、また、沼地の多い故郷のピート掘りの様子が描かれている”Digging”など、先生ご自身の朗読に聞き入りながら、プロジェクターで当時の写真を見て理解を深めました。

その他にもヒーニーが関心を持っていた建築を取り上げた詩、“Scaffolding”(足場)や、”Storm on the Island”、肉体労働を描写した”The Forge”(鍛冶場)や”Thatcher”(屋根葺き職人)、アイルランド独特の発音の地名をテーマにしたAnahorish”(アナホリッシュ)や”Broagh”(アイルランド人は「ブロッホ」イギリス人は「ブロウ」と発音する)などを朗読してくださり、ヒーニーが1972年に起こった「血の日曜日事件」に衝撃を受けて、南アイルランドに移住して詩作に専念するようになったこと、1981年のIRA(アイルランド共和軍)メンバーの刑務所内でのハンスト死、ダブリンのクイーンズ大学への奉職や両親の死がヒーニーにどのような影響を与えたか、また彼が自身の社会的立場をどう考えていたかなどを、詩作に励んだ小屋や、戦禍のベルファーストの写真なども交えながらお話しくださいました。

詩集“The Spirit Level”(水準器)に収められている、”St. Kevin and the Blackbird”(聖ケヴィンとクロウタドリ)は、手の上に鳥が巣を作り始めたので、ヒナが巣立つまでじっとしていたという聖ケヴィンの伝説に基づく詩ですが、小さな小屋の窓から両手を突き出している聖ケヴィンの絵が印象的でした。”In the Attik”(屋根裏)と、ヒーニーの最後の詩集“Human Chain”に収められた”A Kite for Aibhin”(アイヴィーンの凧)においては、詩が死や死別に対処するための要塞をどのように構築することができるかなどについての考察があり、またヒーニーにまつわる場所として”Walk on Air against your better Judgement”という詩の文言が刻まれた墓碑の写真などをご紹介くださいました。また、ヒーニーが亡くなる直前、妻にラテン語で書き残した”noli timere”という言葉が、ヒーニーの初期の作品““Scaffolding”の中で彼女に語る“Never fear”と同じであるところから、夫婦の愛の構築の信念は50年にわたって変わらなかっとお話しくださいました。

 

 

 

 

講演報告 梅若実玄祥氏「東洋文化と西洋文化が出会う能舞台 『伽羅沙 ~ガラシャ~』」

2019めぐみ講演会(一般公開)講演報告

「東洋文化と西洋文化が出会う能舞台 『伽羅沙 ~ガラシャ~』」

2019年10月12日(土)13:30~15:00
講師: 能楽シテ方観世流 梅若 実玄祥 氏
特別出演:斉藤言子氏(神戸女学院音楽学部教授)片桐聖子氏(神戸女学院学院オルガニスト)

10月12日(土)神戸女学院講堂において人間国宝梅若実玄祥氏をお迎えし「東洋文化と西洋文化が出会う能舞台 伽羅沙」と題して講演会が行われました。台風の影響が心配されましたが、134名の受講者をお迎えしました。講演会は梅若実玄祥氏、芸術文化プロデュ―サー西尾智子氏、本学院大学学長斉藤言子氏の鼎談で幕を開け、新作能伽羅沙の誕生のいきさつやフランスで公演された現代能マリー・アントワネットのお話を聞かせていただきました。続いて片桐聖子氏のパイプオルガン独奏,斉藤言子氏の独唱、休憩をはさんで新作能「伽羅沙~ガラシャ~」よりレクイエムの舞台となりました。梅若家で一番美しい面での白衣の伽羅沙の舞は、謡と笛にパイプオルガンの響きとアヴェマリアの調べがみごとに調和し、まさに東洋と西洋が出会い幽玄の舞台に魅せられたひとときでした。

★プログラム★
1.鼎談 梅若実玄祥、斉藤言子、西尾智子(芸術文化プロデューサー)
2.オルガン独奏 片桐聖子
  J.S.バッハ作曲 幻想曲ト短調BWV542
3.独唱 斉藤言子
  ベッリーニ作曲 「清き女神よ」オペラ『ノルマ』より
  プッチーニ作曲「歌に生き 愛に生き」オペラ『トスカ』より
4.新作能 「伽羅沙 ~ガラシャ~」より レクイエム
   伽羅沙     梅若 実玄祥
   謡       川口 晃平
   笛       竹市 学
   歌唱      斉藤 言子 ルッツィ作曲「アヴェ・マリア」
   パイプオルガン 片桐 聖子 

2019めぐみ講演会 チケット払い戻しについて

10月12日の講演会は終了いたしました。悪天候の中お越しいただきました皆さま、ありがとうございました。なお、「講演会開催中止の場合のみチケットの払い戻しをする」としておりましたが、台風という特殊な事情を考慮し、おいでになれなかった方には、チケットと交換にて代金を払い戻しさせていただきます。「2019年10月12日 講演会 チケット払戻依頼表」を印刷の上、必要事項を書き込み、期間内にめぐみ会事務局までチケットと共に郵送くださるか、めぐみ会館へご来館の折に事務局まで直接お持ちください。

  印刷はこちらから ☞ 「2019年10月12日 講演会 チケット払戻依頼表」

印刷が難しい場合は、必要情報がすべて書かれたものを同封してください。チケットの郵送料は恐れ入りますがお客様がご負担くださいますようにお願いいたします。

お問い合わせ・お申し込みはめぐみ会事務局まで
9:00~16:30 土・日・祝休み

〒662-8505 西宮市岡田山4番1号
電話(0798)51-3545
FAX(0798)51-3602

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