今年度、神戸女学院中高部非常勤講師の錦田靖子先生による、古典倶楽部~テーマに沿って高校の教科書を読み直す~と題したセミナーが新しく開講されました。
第1回は、『月』をテーマに秋の歌、徒然草、漢詩を、第2回は、『秋の生き物』をテーマに古今著聞集、伊勢物語、今昔物語を、第3回、『紅葉』では、和歌、徒然草、建礼門院右京大夫集をそれぞれ題材にご講義いただきました。参加者の中には、古典を読むのは高校生以来という方も多く、最初は、新鮮な緊張感が漂っていましたが、回を重ねるごとにちらほらと笑いも起こる楽しいセミナーとなりました。季節を織り込んだ盛りだくさんの作品を解説していただき、今だからこそ感じ取れる古典の世界が新たに広がったのではないでしょうか。
今年度も、大阪大学文学研究科教授、神戸女学院大学文学部非常勤講師の岡田裕成先生にお越しいただきました。「地中海の世界遺産都市を訪ねる」と題して2回にわたりご講演いただきました。
第1回『教会歩きで探るバルセロナ』 中世カタルーニャ地方のロマネスク建築、アーチ天井を持つ石造の聖堂に施された壁画は、光の制約の中で色鮮やかに大きく大胆なモチーフを描き素朴な人々の信仰を表現しています。その後、ゴシック建築の柱と梁で支え垂直性のある技術により都市型大聖堂が普及し、後のガウディ建築の基礎ともなっているそうです。
第2回『南仏の中世都市アヴィニョンの歴史と美術』 中世末、宗教の中心都市であると同時にルネサンス前夜の文化が準備される都市アヴィニョン、その中心となる教皇庁の壁画にはこれまで描かれなかった自然が細やかに描写されています。また、再現描写と装飾的優美の融合し中世絵画にルネッサンス絵画の要素を取り入れたアンゲラン・カルトンなど、アヴィニョンを魅力たっぷりにお話しくださいました。
時代と空間を飛び越え、2つの世界遺産都市を満喫させていただきました。