アートセミナー

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2021アートセミナー報告
『古典倶楽部~テーマに沿って高校の教科書を読み直す~』
「生きているものたち~動物~」
 講師 神戸女学院中高部非常勤講師  89錦田 靖子氏

前期
第1回 5月28日『鳥』→中止、第2回 6月25日『犬』、第3回 7月16日『猫』 

後期
第4回 10月1日『伊勢物語』,第 5回 11月5日『大和物語』、第6回 12月3日『平家物語』

2021アートセミナー報告


古典俱楽部 ~テーマに沿って高校の教科書を読み直す~


前期「生きているものたち~動物~」

今年度は、緊急事態宣言のため、残念ながら前期第1回は中止となりました。

第2回 6月25日 犬 『徒然草』・『枕草子』
今では私たちの身近な存在である猫と犬。古典の世界では、猫は、上流階級が珍重する愛玩動物として描かれているのに対して、犬は、より古くから番犬として人々の身近な存在だったそうです。犬派にも猫派にも興味深いセミナーでした。

第3回 7月16日 猫 『更級日記』・『源氏物語』
亡くなった人の生まれ変わりや、帝の寵愛の対象、あるいは不義の恋愛の小道具として猫が登場する場面を読みました。『枕草子』からは、清少納言が苦手なもののひとつとして「猫の耳の中」を挙げている段も紹介いただきました。

後期 三つの物語

第4回 10月1日 「伊勢物語」 
日本最古の歌物語で、在原業平がモデルではないかと言われる「男」の一代記。千年以上前の作品にもかかわらず、人々の感情に共感できました。また、鬼が登場する不可思議な物語は、政権争いに関連する事件が下敷にあると教わり、興味深く感じました。

第5回 11月5日 「大和物語」
10世紀中ごろから末にまとめられた歌物語から、今回は、三つの物語を読みました。「姨捨」では、山に捨てに行った老女を、どうしても心が晴れないため、また迎えに行きます。その他、身分違いの男女の物語も読み、人としての情や哀感を感じました。

第6回 12月3日 「平家物語」
今回は、「祇園精舎の鐘の声」で始まる有名な冒頭部分を、まずは出席者全員で音読。和漢混交文の、力強く美しい響きを楽しみました。「木曽の最期」と「忠度の都落ち」に描かれた武士たちの最期の様子に、鎌倉時代の価値観に思いを馳せました。

 

2021アートセミナー ルネサンス美術の二都を歩く 全二回 岡田裕成先生
WEB配信のみ セミナー報告

2021アートセミナー「ルネサンス美術の二都を歩く」は
今回はコロナ禍ということで、動画配信のみでの開催となりました。

第一回「ヴェネツィアの教会に静謐の画家G.ベッリーニの名品をたずねる」
 先生の実際にヴェネツィアで撮影されたお写真も交えた旅のお話から
はじまり、ジョヴァンニ・ベッリーニの一族、そして、ジョルジョーネへと
引き継がれるルネサンス美術、ヴェネツィア派の流れを解説いただきました。
 ジョヴァンニ・ベッリーニ作、「ペーザロの祭壇画」は、豪華な装飾のフレームに
囲まれた絵画で、その絵の中には、さらに同じようなフレームが描かれ、
フレームの中には、奥行きのある森や丘の風景。その前には、聖母に冠を与える
キリストとその弟子たち。まさに空間のトリック。
 ご講義の終盤には、ジョルジョーネ作、「嵐」が写し出されます。
先生が2時間、この絵の前で佇み、思いを巡らされたという作品です。
森の中で授乳する女性、騎士、森の奥の空には真っ黒な雲と雷鳴。
エメラルドグリーンの不思議な世界が広がります。
答がないのが答。自由に想像を広げて。
先生の絵画を鑑賞する喜びがこちらにも伝わってくるご講義でした。

第二回「フィレンツェ メディチ・リカルディ宮殿の壁画装飾」
 メディチ家の礼拝堂の壁画を中心にしたご講義でした。
 莫大な資産を築いたコジモ・デ・メディチは人生最後に自身の救済を求めて
壮大な一枚の壁画を発注。
 マギとよばれる3人の賢者がキリストの生誕を祝うためにベツレヘムへと
旅する物語です。行列の中にメディチ自身や、作者ベネッツォ・ゴッツォリの姿も。
礼拝堂の中で、聖地巡礼と毎日の祈りを完結できる仕掛けとなっています。

ステイホームの中、皆さまにイタリアの風を感じていただけたことと思います。

アンケートでは、動画配信という新しい試みに、ご好評のメッセージを多数いただいております。画像も音声もクリアだったとのこと。
平日お仕事の方、ご遠方の方(東京、長野、シンガポールなど)にもご参加いただくことができました。

お問い合わせ・お申し込みはめぐみ会事務局まで
9:00~16:30 土・日・祝休み

〒662-8505 西宮市岡田山4番1号
電話(0798)51-3545
FAX(0798)51-3602

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