アメリカンボードによって神戸に派遣された2人の女性宣教師の、出会った
異国の地の少女たちを「魅力的」だと感じ「彼女たちと話し合えるようにな
りたい」、つまり隣人を理解したいという祈りのもと「女学校(おんながっ
こう)」として設立された神戸女学院。今回は学院創立150周年を記念して、
神戸女学院におけるキリスト教理解について、キリスト教と教育制度の発展
の歴史の説明を交えながらお話いただきました。自分のためではなく他者の
ために奉仕できる精神、自身の働きを限定せず異質なものを関係づける力と
いった17世紀にさかのぼる米大陸移住者たちが大切にしていたキリスト教的
人間観に対する思いが、この神戸女学院の教育の中で継承されてきたことに
改めて思いを致しました。先達の祈りは今日も大切にされています。
セミナーの後、大学旧図書館にて開催中の創立150周年記念展示を見学させて
いただきました。

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神戸女学院創立150周年ー建学の祈り、先達の祈り (全2回)
各回 10:30~12:00
神戸女学院 院長
飯 謙氏
1回だけのご参加も可能です。
お気軽にお申込みください。
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第1回 7月1日(火) 実施済み
※終了後、図書館本館での150周年記念展示へご案内します。
開校前夜の祈り
少女たちと話し合えるようになりたい
第2回 2026年2月3日(月)
新キャンパスへの祈り
ーBeauty Becomes a College
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神戸女学院
めぐみ会館
受講料
各回 1,000円
学生無料 |
お申し込みはこちらから
お問い合わせはめぐみ会事務局まで
学院の永久標語「愛神愛隣」の思想の起源や変遷について、学びました。
「愛神」(申命記6章)と「愛隣」(レビ記19章)は、同じ旧約聖書の中でも、
それぞれ異なる時代に、個別の目的をもつ集団によって編まれた文書に見られます。
講演では、詩編120-134編の「都に上る歌」に注目し、エルサレム神殿へと歩む中で、
来られなかった人のために祈った巡礼者の素朴な言葉が、「愛神」と「愛隣」が
合流するきっかけとなった可能性に言及されました。

「神を愛する(恐れる)」ことと「隣人を愛する」こと。
旧約時代から続くこれらの思想は、イエスが生きた第二神殿時代でも重要な思想でした。
時代による意味や位置づけの変遷を見ると、古代イスラエル人の主であった神が、
民族性を乗り越え普遍的な存在へと変化したことがうかがえる、とのお話でした。
今日の神戸女学院では「愛神愛隣」の精神に基づき、一人ひとりが他者のために
自分が何をなすべきかを考える自主性を養う教育を行っている、と教えていただきました。

第1回 クリスマスオラトリオ
講師 神戸女学院 院長 飯 謙 氏
2023年12月12日(火)
6部・全64曲で構成されるこの作品は、降誕節から顕現日までの6日間の礼拝のために、
聖書からの引用を元に約300年前にバッハが作曲しました。
他の曲を転用するなどの工夫を用いて、2週間で書き上げたそうです。
今回は第3部までを、講師が学生時代にコーラスで演奏会に参加したエピソードを交え、
歌声やピアノも用いて解説いただきました。
「賛美歌から多くを学んだ」というキリスト教信者も多くいるが、
教会歴に対応して信仰の養いを目的として礼拝で演奏する「教会音楽」を作り上げたのは
バッハだ、とのお話でした。
*4年ぶりに、対面のみでの開催としました。
第2回 マタイ受難曲
講師 神戸女学院 院長 飯 謙 氏
2024年3月5日(火)
2部・68曲から成るバッハの教会音楽を代表するこの作品は、
1727年4月11日の聖金曜日(受難日)礼拝で初演されました。
講師は、バッハのオラトリオや受難曲が、礼拝の形式を想起させる、
⓵福音史家(聖書朗読)、⓶叙唱(聖書解釈)、⓷アリア(奨励)、
⓸コラール(応答の賛美歌)のまとまりを重ねて構成されていることを例と共に示し、
最後65番のアリアが「(自分の心の中に)イエスを葬ろう」とイエスとの一体化を
語っており、ここから「愛神愛隣」や「志の引き継ぎ」の促しを聞き取りたいと
締め括られました。

第1回 「パウロはどんな人だったのか?」
講師 神戸女学院 院長 飯 謙 氏
日時 動画配信2023年2月7日(火)20時~2月20日(月)
第1回キリスト教セミナーは「パウロはどんな人だったのか」と題し、パウロが律法を重んじる厳格なファリサイ派からキリスト教に回心した経緯について、新約聖書のフィリピ、ローマ、ガラテヤ、使徒言行録等から歴史的背景や年代を追いつつ、丁寧に分かり易くご講義いただきました。
パウロはローマの市民権を持つヘレニスト・ユダヤ人、厳格な律法の教育を受けたファリサイ派で、律法の義に関しては非の打ちどころがない者と自負し、教会を迫害する側の人物でした。
しかし、ダマスコでのイエス・キリストとの出会いによって、それまでの全てを損失と見なすほどに回心しました。人が義とされるのは、律法の行いによるのではなく、ただイエス・キリストの真実によるという信仰義認論を知るに至ったからです。異邦人もすべて神に許されるという教えです。
この教えをパウロが伝道することによって、キリスト教は世界へと広がり始めたとのことです。
今回も録画配信での開催となりました。東京など遠方の方々も含め、たくさんの方にセミナーを楽しんでいただくことができました。
第2回 「パウロから見る原始キリスト教」
講師 神戸女学院大学文学部総合文化学科 准教授 大学チャプレン 大澤 香 氏
日時 動画配信2023年2月21日(火)~3月6日(月)
もともとはユダヤ教の分派であったキリスト教が独自の宗教としてのアイデンティティを確立するに至った過程を歴史の流れに沿って、ご講義いただきました。
民族的宗教であるユダヤ教から分岐したキリスト教が、ユダヤ人の二項対立的他者である異邦人をなぜ受容することができたのか。その理由は、古くはアッシリアによる強制移住と、バビロン捕囚からエルサレム崩壊までの第二神殿時代に地中海世界に離散したユダヤ人ディアスポラ(離散の民)の存在が大きかったとのことです。彼らはギリシャ語を公用語とし、ヘレニズム文化の中で暮らし、異邦人に対して寛大でした。その代表的な人物がパウロです。もともとは教会を迫害する保守的ユダヤ教徒でしたが、イエス・キリストとの出会により、ユダヤ教からキリスト教に回心し、律法を重んじることではなく、福音の核心である信仰と恵を説きました。キリスト没後の3回におよぶパウロによる異邦人伝道の過酷な旅についても、地図をたどりながら、詳しくご解説いただきました。
受講者の皆さまから、大変ご好評いただきました。第1回と第2回、違う角度からのご講義でしたので、皆さまには、多面的にパウロの人物像を学んでいただけたことと思います。

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